INTERVIEW

射出成形の鍵を握る
高精度な金型開発に挑む。
射出技術部 三島技術課
2007年新卒入社
物質化学工学科卒

入社動機

学生時代の研究室と当社が共同研究を行っていたことなどから、研究開発に熱心なメーカーという印象を抱いた。高機能プラスチックは今後も拡大する市場であり、会社としての成長性にも魅力を感じた。

ミクロンオーダーという高精度な金型開発。

現在どのような仕事に携わっているのですか。

メインとなるのは、射出成形用の金型の開発ですね。お客様の製品の仕様や樹脂の特徴などに合わせて最適な金型を開発しています。この金型とは、樹脂製品をつくるための「型」のようなもの。熱で溶かした樹脂を金型に注入し、冷却して成形します。さらに成形した部品を組み合わせたりする後工程の設計、加工機の開発などにも携わっています。
私が主に担当しているのは、自動車用の高機能樹脂部品など。開発する金型も重さ100kgほどから数tくらいのものまでさまざまです。それでいて金型に求められる精度はミクロンオーダーです。

とても繊細な技術が要求されるのですね。

金型はいくつかのパートに分けて作り、組み合わせて使用するために、精度を出すのがいっそう難しいのです。樹脂を射出する「ゲート」も、形状などに合わせて複数箇所に設定しなければならず、その設計にもノウハウが必要。さらに樹脂は冷却によって変形するため、金型を冷却するための制御にも繊細な技術が求められ、コンピューターによるシミュレーションなども活用しています。入社以来ずっと金型の開発に携わっていますが、いまだに学ぶことがたくさんありますね。

開発は地道な積み重ね。だからこそ達成感も大きい。

成長を実感できたようなプロジェクトはありますか。

入社5年目、ある電池部品の金型開発を任されました。この部品は特殊な性能が要求されるために金型の開発が難しく、課内でも難航していたプロジェクト。ちょうど私が技術者として若手から中堅に差しかかろうとしていた時期で、そのステップアップのために経験を積ませようと、上司や先輩たちがあえてチャレンジさせてくれたのだと思います。

その難問をどのようにブレイクスルーしたのですか。

ある日突然ひらめいた……というようなことがあればカッコよいのですが、結局は試行錯誤の連続でしたね。外部の金型メーカーとも連携して検討や試作を重ね、その中から「これは!」と思えるような工夫を集約していきました。けれども、地道な積み重ねだっただけに、無事に量産化にこぎつけた時の達成感もひとしお。あの時に喜びはいまでもはっきり憶えています。金型の技術者として大きな自信になりましたし、この時に築いた社内外の人的ネットワークはいまでも大いに役立っています。

社会を支える高機能な樹脂製品を生み続けていくために。

「当社ならでは」という魅力をあげるとするなら?

射出成形の業界は数多くのメーカーがひしめき競争も激しいのですが、その中でも当社は高機能な樹脂製品の成形で高い評価を獲得しています。これがメーカーとしての強みであり、技術者としてのやりがいでもあるのですね。それだけ最新の、そして困難なテーマにチャレンジできます。また、射出、押出、コンパウンドという3つの分野を手がけていることも特徴でしょう。お互いに相談し合う機会も多く、幅広い知見を得られることも面白さのひとつだと感じています。

これからの目標を教えてください。

金型の開発に携わって十数年が経ちますが、まだまだ学ぶべきことがたくさんあると感じています。私たちが手がける金型は、同じ設計図や加工機で作っても、微妙に精度が違ったりぴったり同じものができないこともあるのですね。それほど奥が深く、解明しなければならないメカニズムも多い。社会に高機能な樹脂部品を届けていくために、私たちがチャレンジすべきテーマは無限にあると感じています。「すごく難しい部品だが、当社に任せれば大丈夫」。そうお客様から評価されるような技術を育て、後輩たちに伝えていきたいですね。

One Day Shcedule

8:00
出社。1日の予定の確認
8:30
部全体での朝礼
8:40
グループでのミーティング
9:00
メール確認。社内外からの問い合わせ対応
10:00
実験室での金型試作
12:00
昼休み
13:00
引き続き金型試作。合間にデータ整理など
15:00
デスクに戻り、データのまとめ、資料作成など
17:00
退社

Private

週末は、もっぱら2人の子どもと一緒に過ごしています。以前はよく公園で遊んでいたのですが、最近は一緒に家庭でゲームをすることも。自転車に乗れるようになったり、スイミングが上達したり、子どもの成長を目の当たりにできることが何よりもの楽しさです。